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腐海を彷徨う海月が書きたいことを書きます。

2016/01/07 ミシェル・ウェルベック『ある島の可能性』再販

こんばんは、昨日か一昨日くらいに別のブログで掲載していたものをこちらに移します。既にご覧いただいている方は申し訳ないです。

私めがウェルベックの文章に初めてお目に罹ったのはtwitterbot@HOUELLEBECQ_JP
その頃、15年近くとなる鬱との共同生活に疲れ、ただ体力も無く自分の手で終止符を打てない日々が続いていました(現在進行形笑)。そんな中、フォローをしている思想家のRTで見たのがきっかけです。
このbot、他のbotでも多いですが、引用文の後に作品名が『』で書いてあるんですね。


ほか、『素粒子』『地図と領土』など。
もう1年近く前に見たものでツイートの詳細は覚えていませんが、私は傾向として『ある島の可能性』から引用されたものを好んで☆(現在は♡ですね)を付けていました。
ある島の可能性』が私が読んだウェルベック作品では初めてのもの。基本的に余り読む前に作者や作品のリサーチであったりはしないので、読書以前の当初私は『ある島』=『日本』なのだと思う程でした。違いますよ、ランサローテ島ですよ。

内容(「BOOK」データベースより)
物語は世界の終わりから始まる。喜びも、恐れも、快楽も失った人類は、ネオ・ヒューマンと呼ばれる永遠に生まれ変われる肉体を得た。過去への手がかりは祖先たちが残した人生記。ここに一人の男のそれがある。成功を手にしながら、老いに震え、女たちのなかに仔犬のように身をすくめ、愛を求めつづけたダニエル。その心の軌跡を、彼の末裔たちは辿り、夢見る。あらたな未来の到来を。命が解き放たれる日を。

『服従』『素粒子』『地図と領土』を含め、傾向的に『社会的成功を得ながらも寂しさに打ちひしがれている人物』が主人公であり、『社会的成功』が無いという前提の私めにとっては本来感情移入は勘違いなのかもしれませんが……しかしその『社会的成功』が描かれているからこそ、そこからの光が強い程で寂しさの陰が比例して映る様に、よりこの作品たちは胸に迫ってくるのかなと。

さて、この『ある島の可能性』2007年に単行本の翻訳が発売されたのですが、

2015/12/14現在中古で\14,998から…
高くないですか!!!???
私は図書館でこの本を手に取ることが出来た為、装丁を見ることが出来たのですが、この表紙のデザインも美しいのに…この表紙のままで文庫版にお目に罹れたら良かった。

そんな文庫版は

で、記事の題名の通り来年1月7日発売です。表紙の画像、今流行っているアニメ『おそ松さん』登場人物の『カラ松』がこんなズボン履いてそう、とちょっと思いました。ごめんなさい。
でも水面の様でもあるし、アルゴリズムの様でもあり、読書の記憶を辿っていくと「確かに」と思わされます。文庫版も早く手に取りたいですね。

恐らく『服従』がベストセラーになった事によって『ある島の可能性』も出版する事が決まったのではないかと推察されますが、時期的に文庫版出版の優先度が『地図と領土』『素粒子』よりも低かったのであろうことが伺える程度には、2作品よりも社会的側面よりパーソナルな面が強かったのでは。
私が読了時に叫んだのが「フランス版『人間失格』⁉」でしたしね……。主人公の職業が芸人だったので。でもだからこそ、私は『ある島の可能性』の世界観に魅かれてしまいます。

光明を見る様な希望は、得られないかと思います。
でも、世界の何処か、複数の人の頭の中で、この本の中の世界が共有されている事を知ることは、カタルシスになるかもしれません。